自家歯牙移植
自家歯牙移植とは
虫歯や歯周病などで歯を失った部位に自分の違う歯を移しいれる方法です。生体に優しく歯の機能を生かした方法で条件が合えばとても有効な治療法です。
親知らず(智歯)を移植歯として使用する場合は健康保険適用として認められております。但し、年齢(概ね40歳位まで)、移植歯の歯根形態、移植部位の骨幅等により移植が行えない場合があります。又親知らず以外の歯を移植歯として使用する場合は、健康保険適用外での治療となりますので予めご了承下さい。
移植の成功を左右する*歯根膜の働き
年齢による歯根膜活性の低下や移植歯の抜歯時における歯根膜の損傷により移植後に骨癒着、歯根の吸収、付着の喪失が発症することがあり、CT検査や術前の診断がとても大事です。
*歯根膜(しこんまく)は、歯根と歯槽骨の間に存在し、歯槽骨に歯を植立する懸架組織のことである。歯周靭帯とも呼ばれる。歯槽骨、セメント質、歯肉とともに、歯周組織を構成する組織である
自家歯牙移植の費用
健康保険適応外(自費診療)の場合、移植費用とし70,000円、根管治療が必要な場合はさらに20,000円、その他に抗生剤を含むお薬代、術後の審査としてレントゲン代として5,000円程掛かります。
自家歯牙移植の流れ
本来の移植
大きな虫歯が原因で根の先に大きな膿の袋が出来てしまい、抜歯が必要です。
虫歯の歯の抜歯と移植をする智歯(親知らず)の抜歯をします。
虫歯で抜いた歯の穴に智歯(親知らず)を固定(1~2ヶ月)します。
移植した歯の歯根周囲に骨が形成され、健康な歯と同じように機能します。
外科的整直
手前の歯を早期に失い放置したため歯が手前に倒れ、このままでは治療が困難。
いったん歯を抜いて、抜いた歯の穴を方向修正します。
歯の固定をします。
ブリッジにより修復します。
外科的挺出
大きな虫歯のためこのままでは保存不可能です。
いったん歯を抜歯、虫歯の部分を除去します。
健康な歯の部分を歯茎の上に出して固定します。
歯冠部をクラウンで修復します。
再植
歯根の中に金属の支柱が装着され、通常の根の治療が出来ません。
いったん抜歯をして、根の先から根の治療をします。
抜いた歯を元の位置に戻します。
根の先の膿の袋は健康な骨に変わりました。